介護職を辞めたい!どんなことをすれば良い?

2021年7月11日

介護職辞めたい時とるべき行動とは

厚生労働省が調べたところ、平成28年度調査において介護事業所の離職率は16.7%でした。平成19年度は21.6%であったのに比べると改善はしているものの、全産業平均よりもやや高い傾向にあります。

介護職は事業所によって離職率に大きな差があるのも特徴です。10%未満の離職率の事業所が45.2%あるのに対して、30%を超える離職率の事業所が21.0%もあります。利用者やご家族、上司や同僚の要因などにより、多くの職員が辞めたくなる職場は実際に存在します。

また、離職率が高くなる要因として、事業所が事業を開始してからどのくらい経過しているかです。事業開始より1年未満の場合は、離職率が36.5%と非常に高いです。しかし、10年以上の事業所においては、13.8%で平均よりも少し低くなります。つまり、事業開始より間もない事業所は、離職率が非常に高いのです。もし、介護職に転職を考えている場合は、この点を把握しておきましょう。

介護職の取り巻く状況は以前よりも改善しているとは言え、介護職が辞めたくなる状況は全国的にも蔓延しています。もし、お勤めの介護事業所を辞めたいと感じたら、起こすべき行動をまとめてみました。ぜひご参考にしてください。

まずは辞めたい理由を書き出す

介護職を辞めたいと感じた時にまず行ってほしいのが、自分が辞めたい理由を紙に書きだすことです。紙に理由を書き出すことで、より客観的に転職の必要があるかどうかを判断できます。少し時間をとって、職場でストレスとして感じていること、業務で嫌だと感じることを一つ一つ書きます。

例えばこのように挙げてみましょう。

1.上司の命令がきつい、叱責にも耐えられない。
2.利用者Aさんの介護を行いたくない。介護するのがストレスに感じる。
3.施設までの通勤時間が遠く、ワイフワークバランスが悪いと感じている。
4.身体への負担が大きく、手首や膝、腰に痛みがあり業務を遂行するのが難しい。
5.利用者Bさんから行われるセクハラまがいの言動、利用者Cさんからの暴力に我慢ができない。
6.同僚や上司に恵まれていないと感じる。
7.施設運営方針に疑問を感じている。

理由を眺めながら対処可能かを判断する

次にすべきことは、紙に書きだした辞めたい理由を眺めながら、一つ一つ対処が可能かどうかを判断することです。少し頑張れば対応できることや、我慢できること、改善策を思いつくこともあるでしょう。まずは、できる範囲内での対処方法を前向きな気持ちで考えてみましょう。

例えばこのようになります。

1.上司の命令がきつい、叱責にも耐えられない。
対処)上司の命令は理不尽、無理難題なことが多く、頑張っても命令を達成できない。叱責されないように業務を遂行することは難しいと感じる。

2.利用者Aさんの介護を行いたくない。介護するのがストレスに感じる。
対処)行える日と行いたくない日がある。感情にバラツキがあるため行きたくない日は同僚にお願いする。

3.施設までの通勤時間が遠く、ライフワークバランスが悪いと感じている。
対処)近くへ引っ越しをしたい。しかし、家族もいるため難しい。通勤時間が長いのは、我慢するしかないと感じている。

4.身体への負担が大きく、手首や膝、腰に痛みがあり業務を遂行するのが難しい。
対処)ノーリフト、ボディメカニクスの実践を徹底することで身体への負担を軽減する。

5.利用者Bさんから行われるセクハラまがいの言動や、利用者Cさんからの暴力に我慢ができない。
対処)上司や施設管理者にお願いし、退所処分も含めて対応策を考えてもらう。

6.同僚や上司に恵まれていないと感じる。
対処)恵まれていないと感じるものの、会話が弾むなど楽しいと感じることもある。

7.施設運営方針に疑問を感じている。
対処)納得できないことがあるものの、自分なりに我慢することは出来る。

例1のように前向きに考えてみても、「どうしても対処方法が見つからない」、「我慢できない理由がある」、このような場合は離職することも検討する段階となります。

対処が困難と判断した場合

前向きに対処方法を考えたとしても、対応できない理由があるかもしれません。そのようなときは、上司に相談してみましょう。それでも、解決に至らない時には、とるべき行動は以下の3つとなります。

1.我慢して仕事を続ける。
2.ケアマネや社会福祉士の資格を取得し、現場から離れる。
3.退職する。

それぞれについて解説していきます。

1.我慢して仕事を続ける

対応策は見つからないけど、仕事を辞めるわけにもいかない。嫌なことはあるけれど、我慢して仕事を続けていくのも一つの方法です。

転職するには生活費の心配や、就職活動など様々なことにエネルギーを使います。それらを考慮すると我慢して続けるのも、考え方の一つです。ただ、介護職を頑張りすぎて、身体や精神が病まないようにしましょう。

コラム:介護施設の数について

厚生労働省が、平成28年度にまとめた介護施設の事業者数は以下になります。

介護予防サービスの事業所
・介護予防訪問介護 34,113
・介護予防通所介護 41,448

介護サービスの事業所数
・訪問介護 35,013
・通所介護 23,038

介護保険施設
・介護老人福祉施設 7,705
・介護老人保健施設 4,241
・介護療養型医療施設 1,324

トータルすると146,288事業所が介護に携わっています。これは全国のコンビニ数58,340(平成28年度)と比べると、2倍以上も介護事業所があることになります。これほど多いのに、一つの介護施設だけで介護職が嫌になるのはもったいないです。本当にきついと感じた時には、他の施設への転職も検討してみてはいかがですか。

2.ケアマネや社会福祉士を取得し現場から離れる

現施設でのキャリアが長くなればなるほど、キャリアを捨てて他の施設に転職するのは難しく感じるでしょう。しかし、介護がきついのに変わりはありません。そこで、ケアマネや社会福祉士の資格を取得し、相談員となり現場から離れる方法もあります。

もちろん、ケアマネや社会福祉士のような相談員も大変な仕事です。しかし、キャリアを捨てず、現場から離れる方法としては最適です。いつまで現場にいるのだろうと、漠然と不安をかかえている職員も多いのではないでしょうか。社会福祉士やケアマネのように、キャリアアップとして資格取得に臨むのは、自分の立場を変える絶好のチャンスにもなります。

3.辞める方法&辞める時の注意点

いざ辞めようと決意しても、どのようにすればよいのか分からない方もいらっしゃるでしょう。簡単に、仕事を辞めるときの流れを解説します。

1.上司に辞職したい旨を伝え、必要であれば退職願を提出します。(希望の退職日を設定する)
2.上司との話し合いで退職日を決めます。
3.決定後、退職届を提出する。会社規定のフォーマットがある場合はそちらを使用します。
4.退職日が来たら晴れて離職となります。

注意点としては、退職願は退職希望日より数か月前に提出するのが一般的です。会社の就業規則にも則る必要がありますので、確認が必要です。また、有休消化や引継ぎ、退職金のように大事なことは、上司と話し合い確認してください。

どうしても、自分で退職の手順を踏めない方は、退職代行サービスに依頼しましょう。私の職場でも、この代行サービスを利用して退職された方はいらっしゃいますので、気兼ねせずにこういったサービスを利用してください。

介護職に転職?他の職種に転職?

離職することを決意し、退職願を提出した時点で次の職業を何にするのか判断に迫られます。他の事業所で介護の仕事を行うのか、それとも他の業種にチャレンジするのかになります。または、しばらく働かないという方もいらっしゃるかもしれません。

介護施設に転職する場合の注意事項

私の経験では、どの介護施設も職員の数が不足しており常に人手不足で悩んでいます。そのため、介護経験を有する職員は喜んで採用されることが多いです。未経験の職員を採用しても、数か月~1年程度で辞めてしまうことも多く、施設側としては未経験者よりも経験者を優先して採用する傾向にあります。

業務内容や報酬、休みの数、事業所の雰囲気というようなことは、実際に働いてみないとわからないことが多いです。そのため、転職したもののやっぱり自分に合わないこともありますので、転職先を選ぶのは慎重に行う必要があります。

介護施設の数はとても多く、入所施設、通所施設など形態も様々です。どのような種類があるのか、調べることで自分に合った介護施設を選べるようになるでしょう。

また、より良い転職を行いたいなら、ハローワークの求人よりも、介護職専門の転職サイトに登録することをオススメします。なぜなら、求人にもしっかりとお金をかけ、現場の人材不足を打破しようとしている事業所で働いてみたいと思いませんか。

理想の介護施設の見極め方

転職するにあたって気になるのが介護施設の見極め方です。もちろん仕事ですので、給料は多いほどよいです。それ以外にも福利厚生や仕事環境など気になることがいっぱいあるでしょう。私が転職する際に大事と思うチェック項目を、以下に列挙しましたので参考までにご覧ください。

入所施設の場合。
1.夜勤回数が多いのは職員が不足している証拠です。
2.介護ロボを積極的に導入しているか。
3.ノーリフトなどの介護職の負担を軽減する取り組みをしているか。
4.どのような利用者様を対象としているか。
5.副業がOKかどうか。給与面で困ると転職するしかなくなるため。

通所施設の場合。
1.送迎があるため、出来れば土地勘のある場所がおすすめです。
2.送迎エリアが広すぎないか確認が必要です。
3.定員が多くないか。多すぎると通所といえども大変なことになります。
4.通所以外に訪問などの複数の事業を行っているかどうか。
5.副業がOKかどうか。給与面で困ると転職するしかなくなるため。

このように自分なりにチェック項目を作成して、それらを基準に探すことが理想の介護施設に働く近道です。

他の職種に思い切ってチャレンジ

介護職は二度としたくない。そのように考えて離職を決意する方もいらっしゃるでしょう。思い切って他の職種にチャレンジすることは、とても勇気のいることです。しかし、自分のやりたいことを見つけるためにも、チャレンジする価値はあります。

ただ、注意して欲しいのは自分がやりたい仕事の求人情報です。退職したのは良いものの、自分のやりたい仕事の求人がなく、介護施設を転々とすることにもなりかねません。そのようにならないよう、介護職を辞めたいと思ったときから、気になる職種の求人情報に目を光らせておきましょう。退職したときは、自分の仕事を変える絶好のチャンスです。

複業という考え方で、自分の幅を広げる

複業やパラレルキャリア、パラレルワークという言葉をご存じですか。簡単に言えば本業を複数もつことです。自分のスキルを高めるため、収入をアップするためにも選択肢の一つとして検討する価値はあります。介護職は、この複業を行いやすい環境にあるといえるでしょう。

なぜ介護職は複業を行いやすいかというと、介護業界は長年人手不足が続いています。そのため、少しの時間でも働いてくれる人材を探しています。例えば、入浴専門、支援専門、送迎専門などです。介護の仕事は、安定的に今後もあることは間違いないでしょう。そのため、介護の仕事で安定的に収入を得ながらも、他の業種にチャレンジすることで自分のスキルを高められます。

今日ではクラウドソーシングや在宅ワークの定着により、自宅にいながら仕事を行えるようになりました。そのような、家で出来る複業を見つけるのもオススメです。

辞めるタイミングについて

辞めるタイミングは、自分の精神状態、肉体の疲労度など限界に達しているのであれば早々に退職すべきです。しかし、慢性的な人材不足の介護職に転職するにしても、積極的に人材を募集しない期間があります。それは、新年度が始まる4月です。4月は異動職員や、新入社員の育成にどの職場も追われることになります。

そんな時期に転職するのはいろいろと大変ですので、4月や5月は辞めるタイミングとしては避けたほうが無難です。

まとめ

介護職を辞めたいと思ったときに、とるべき行動は以下になります。

1.辞めたい理由を書き出す。
2.その理由を見ながら対処が可能か前向きな気持ちで考える。
3.対処方法がなく対応が困難な場合に離職を考える。
4.退職するかどうか判断する。
5.退職する際は、介護職に転職か他の業種にするか判断に迫られる。
6.介護職に転職する場合は、自分の思う理想の施設を想像しながらチェック項目を作成。そのチェック項目にあう施設を探してみる。他の業種にチャレンジする場合は、気になる職種の求人には常に目を光らせておく。
7.辞めるタイミングは4月や5月は避けた方がよい。

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